スウィート・サースデイ 初CD化 ソニー・ミュージックより発売
以下ライナー・ノーツ抜粋
ところで、スウィート・サースデイというバンド名だが、「エデンの東」や「怒りの葡
萄」で著名なノーベル賞受賞作家ジョン・スタインベックの小説「スウィート・サースデ
イ」から取ったであろうことは明白だ。なぜなら、ジョン・スタインベックは、1968
年に他界しており、しかも、小説「スウィート・サースデイ」には、カリフォルニアのモ
ントレー半島が登場する。モントレーといえば、ロック・ファンなら、あの1967年の
モントレー・インターナショナル・ポップ・フェスティバルを思い浮かべるはずだ。自然
環境の美しい地域でもあるモントレーは、ポップ・フェスティバルの開催によってヒッ
ピー達のシンボルのひとつとなった場所でもある。ニッキー・ホプキンズは68年にジェ
フ・ベック・グループの一員として全米ツアーに参加し、69年1月からはQMSのメン
バーとなっている。ホプキンズは、米国での成功を夢見つつ、渡米中には67年のモント
レー・インターナショナル・ポップ・フェスティバルのことを耳にしたであろうし、68
年暮れにスタインベックが他界したことも知ったであろう。孤独と連帯と自立と自由につ
いて書かれたスタインベックの「キャナリー・ロウ(缶詰横丁)」は、続編の完璧なラブ
ストーリー「スウィート・サースデイ(愉しい木曜日)」で完結する。この小説が語る人
間観は、どこか当時のヒッピー達の理想に似たものがある。きっと、ニッキー・ホプキン
ズにとってスウィート・サースデイという名称は、希望であり夢そのものであったはず
だ。ホプキンズがロンドンに帰った際、米国で起きていることを友人のセッションマン達
に熱い思いで語ったに違いない。僕は、このアルバムはその勢いで作ってしまったものと
信じて疑わない。その布石は、マーク=アーモンドの作品やニッキー・ホプキンズ在籍時
のQMSの作品に確かに繋がっているのである。あなたが今、手にしているのはその布石
となった名盤なのだ。