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 ◆プロ・ライター、また多方面で活躍されている野田誠司氏のコーナー◆
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             ライヴハウス閉店

自分でハコを運営するまで、あまり他のライヴハウスの動向を気にすることは
なかった。この不況可での閉店は、もう2〜3年前から始まっていて、いくつ
も閉店の話が耳に入ってきた。が、ここに来て不可抗力的な閉店も聞くように
なってきた。

六本木のピットインが閉店するという。多くのジャズ・ミュージシャンのメッ
カだった店だ。バブル崩壊後はジャズに限らず色々なジャンルのミュージシャ
ンの利用もあったようだ。六本木ピットインの場合は、ビルの倒産による完全
な不可抗力。上階との音響上のトラブルも続いていたが、それが原因ではなか
った。従ってピットイン自体が倒産するわけではないので、新宿ピットインは
続くらしい。安心した。
上階との騒音トラブルといえば、赤坂LOVE CHURCH がそれが主たる理由でライ
ヴハウスとしては閉店(2年前?)した。

閉店ではないが、渋谷egg-man は、名称が変わったり、戻ったり、オーナーが
短期間に入れ替わったりとこの一年くらいは慌ただしかったようだ。
レコード会社や大手プロダクションがここ数年、ライヴハウスを起す中、中規
模ライヴハウスが姿を消している。特にジャズ系のハコは厳しいらしい。
一番の原因は不況であるにしても、ちょっとライヴハウスに行ってみよう、と
いうお気軽な感じで行く人が激減してしまったのだろう。

なんで、こんなネタを書いたかと言うと、実は、うちが運用していたホールも
不可抗力で使用できなくなってしまうからだ。もともとキリスト教会系の使用
しか認めていなかったホールを一般の人達にも使って頂こうということで、う
ちが入り込んだのだが、結局、オーナーであるお茶の水クリスチャンセンター
の事務局内の意見がまとまらず、うちは撤収することになってしまった。都内
で完全禁煙のライヴハウスは、うちくらいだったので嫌煙な方には、とても評
判が良かったし、ホールも綺麗で利用者さんの評判も良く、喫煙者の方でも喫
煙を我慢しつつも喜んで利用してくださっていた。ようやく軌道に乗ってきた
ところで、「やはり一般貸し出しは中止する」という上からのお達し。有無も
言えず、8月末に撤収となってしまった。

が、不思議なことに、うちの利用者さん(イベンター)が、同じ中央線沿い阿
佐ヶ谷の「阿佐ヶ谷ドラム」というライヴハウスのオーナーになることに決ま
り、9月から正式にリニューアル・スタートする。元のオーナーが海外在住し
てしまうため引き継ぐことになったのだそうだ。ちょうど、うちが閉店すると
入れ替わりに開店するので、うちでのライヴは一斉にそちらに移動することに
なった。これまでとは逆に僕は、イベント企画者として「阿佐ヶ谷ドラム」に
関わることになる。しかもこれまでの関係を考慮してくださって、うちが持ち
込みの企画は安いレンタルで利用させて頂けるので、お茶の水でやるのと大差
ないリスクでライヴができる。

ライヴハウスの興廃が目立つ今日この頃だが、似たような話はたくさんあるの
だろうなぁ。が、良い音楽を育んでいくためにも、それぞれのハコのオーナー
さん達には頑張って欲しいと思う。
ビックイベントが目白押しとなる夏は、ライヴハウスには厳しい季節だが秋に
備えて良い企画を考えていきたい。