━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆プロ・ライター、また多方面で活躍されている野田誠司氏のコーナー◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『What Are You Doing the Rest of Your Life』TRIO'
¥2,900(税込) IPTR0401

最近はすっかり、夏はロック・フェスティバルという感じになってしまったが
夏のジャズ・フェスティバルは、昔から各地で行われている。特にフュージョ
ンが全盛期の頃は、夏といえばジャズ・フェスだった。ということで今回はジ
ャズのアルバムを紹介。

 TRIO’という名前の通りのジャズ・トリオだが、リーダーの市原康は、
僕の友人であり、かつては日本で唯一、70年代にポール・マッカートニーか
ら楽曲を提供されたブラウンライスというバンドで米国で活動し、その後、ゴ
ダイゴの前身となったミッキー吉野グループに参加。以降は、スタジオ、ツア
ー・ミュージシャンとして、寺尾聡バンドや木住野佳子グループを始め、多く
のセッションに参加、活動をする敏腕ドラマーだ。その彼が、pf:福田重男、
bass:森泰人、dr:市原康というトリオ編成で、公開レコーディング(2004年
1月にホテル日航東京「マグレブ」で録音)、かつ、サウンド・プロデュース
を一般公募という大胆不敵というか、前代未聞なアルバム制作で出来上がった
のが本作。その中味はというと、市原康本人の穏やかな性格が滲み出つつも、
ブラシ・スティックを持たせたら日本では右に出る者がいない程のテクニック
をここでも光らせつつ、スリリングなトリオでの演奏を満喫。公開レコーディ
ングという緊張感から生まれる、ライヴ以上のグルーブ感も際立つ秀作だ。

低迷中の日本のジャズ界、というより、ジャズ・ミュージシャンは優れた逸材
が多いのに、リスナーが積極的でなくなった日本ジャズ界に新風を起すべく始
まったこのプロジェクトが、フォロワーを起すほどの成功を願ってやまない。

収録曲
1 What Are You Doing The Rest Of Your Life
2 Straight No Chaser
3 To Staffan
4 Invitation
5 Dindi
6 Go Ahead Nigel
7 And They Lived Happily Ever After

ラストの曲は、なんと市原康の愛娘でトランペッターの市原ひかりの作品。