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 ◆プロ・ライター、また多方面で活躍されている野田誠司氏のコーナー◆
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           ライヴ・レポート
  花実 with friends vol.3/04年5月18日(火)高円寺ペンギンハウス

一昨年暮れに、「中村由利子/クリスマス・コンサート」に協力した際、都留
教博、中村由利子の事務所:トゥルー・プロジェクト所属で、中村さん達が育
ている女性シンガーがゲストとして登場した。中村さんはピアニストであり、
都留さんは、バイオリニスト(ギター、キーボードもこなすマルチ・プレイヤ
ーでもある)とインストメンタリストの事務所で初のヴォーカリスト、それが
花実だ。まだ若く、「花実ちゃん」と呼んだ方が相応しい、黒髪の乙女という
感じで初々しい。花実ちゃんは、俳優の父、音楽教室を営む母のもとに生まれ
るという、アーティストとして育っていくには恵まれた環境の中、しかし、の
んびりと育ったという。

ソニーミュージック・オーディション、ユイ音楽工房・オーディションを経て
中村さん、都留さんのお世話になるという、ミュージシャン志望者が多く競争
の厳しいこの世界では、順風満帆に進んできたように思える。3月にファース
ト・ライヴが行われ、以降4月、5月と月1ペースのライヴ。ファースト・ラ
イヴから中村さん、都留さん達がバックという贅沢な応援を受け、しかも、2
部構成のライヴをオリジナルで通すというかなり出来上がった状態でのライヴ
活動開始となった。

花実ちゃんの音楽は、そこはかとアイリッシュな雰囲気(それは、バックのア
コースティックな編成にも依存しているのかもしれない)を醸しだし、また花
実ちゃん自身の透明で透き通っ声が絶妙にマッチした楽曲で占めている。変に
バラエティに富んだ楽曲でイジッてしまうよりは、こうして全体のトーンが統
一されていた方が、きっとファンもつきやすいであろうし、リスナーとしても
ハッキリしたイメージを掴みやすい。音楽的には、上野洋子在籍時の ZABADAK
(特に『遠い音楽』以降)や相馬裕子の初期のアルバムに通じるものがあるが
画家:井上直久氏の「イバラード」の世界が大好きだということもあり、歌の
世界観はどちらかというとファンタジック。個人的には、好みの音楽なので、
しばらくは、この線でやっていって欲しいと勝手ながら思った。

先に書いた一昨年のゲストの時や、今年始めにうちのライヴに遊びに来てくれ
たときには、花実ちゃんはなぜか緊張しまくりで、ちょっとオドオドした感じ
を受け、人見知りが激しいのかな?と思ってしまった。が、僕が観に行った先
月と今月のライヴでは、天然ボケ全開のなかなか明るい素直な女の子だった。
ライヴ終了後、そのことを話すと横から中村さんが「猫を被っていたんですよ
:笑」とからかう。このアットホームなライヴも6月で一旦、中断し、いよい
よレコーディングに入るとのこと。慌てずにぜひ、すぐれた作品に作り上げて
欲しいと思う。

花実ちゃんの音楽は、きっと多くの人々の疲れた心を優しく癒してくれるに違
いない。すでにペンギンハウス満員御礼のライヴが続いてきたが、アルバム・
リリース後は、もっと広い場所でライヴが行われるのかな。楽しみだ。

トゥルー・プロジェクト ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/true-project/music/
花実 ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/true-project/music/hanaindex.html
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