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 ◆プロ・ライター、また多方面で活躍されている野田誠司氏のコーナー◆
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       『EQUINOX』 Jun Kawabata AP1012 ¥2500(税別)

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▼レーベルによる紹介文▼
タイトル "EQUINOX"(エクイノックス)とは昼と夜の長さが等しい時(昼夜平
分時)という意味。アルバムは昼と夜、美と暴力、明暗、といった対比をテー
マとしている。曲のイメージはイビサ島、そこで展開されるストーリー。ドラ
ムに本田珠也、ウッドベース荒巻茂生、アコースティックギター内海利勝、ボ
ーカルに万琳はるえ、ORIENTA を迎えての録音。ロマンチックでアバンギャル
ドな新世代プログレ。
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さて・・・
お付き合いのあるレーベルで、AIRPLANE LABELというプロ集団のレーベルがあ
る。代表は、写真家であり映像作家、コンポーザー、作曲家でもある川端潤氏
だが、関わっているアーティストが元キャロルのギタリスト内海利勝をはじめ、
ギター西浜哲男、ジャズベーシスト荒巻茂生、ハーモニカ妹尾隆一郎、ドラム
ス西本孝、松本照夫といづれもツワモノで濃い。実はこのメンツでブルースフ
ァイルNo.1として同レーベルからアルバムをリリースしており、しかも彼らを
モデルにした『ヘイ! ブルースマン!』がモーニング誌上で連載中だ。先日レ
ーベル代表の川端氏と会ってお話をしたが、僕と同じ歳の方で、若い頃聴いて
いた音楽もほとんど同じとのこと。どうりでこのレーベルの音に親近感を持っ
てしまうわけだ。

本作はその川端潤:名義の新譜。
参加ミュージシャンについて。
ブルースファイルNo.1からは、昨年、同レーベルから新譜をリリースした内海
利勝がアコギで参加。
内海利勝オフィシャル・ホームページ
http://sound.jp/uchiumi/
ドラム:本田珠也。本田珠也は、フュージョン・バンド:ネイティブ・サンの
リーダー本田竹広。母親はジャズ・ヴォーカリスト:チコ本田、渡辺貞夫が叔
父にあたるというサラブレッド。
ウッドベース:荒巻茂生。荒巻茂生は、秋吉敏子、トム・ハレル等と共演。大
西順子トリオに参加等、日本を代表するジャズ・ベーシスト。
さらには、サックスに「はたのいさお」、AIRPLANE LABELのヴォーカルに欠か
せない万琳はるえ、それにOrienta が参加。

本作は、川端潤のアルバムの中では、一番ロック色が濃い。が、その映像的視
覚的な楽曲は、聴く者を闇に光に誘ってくれる。多くのプログレ・バンドが、
かつてこうしたことを試み、アルバムにした。が、その明暗が溶け込むほどに
うまく混ざり合うサウンドは数少なかった。川端潤の本作では、それが見事に
成功している。攻撃性でいえば90年代のキング・クリムゾンに一番近いが、
それでもクリムゾンが到達し得ない映像感覚が川端潤の音楽には潜んでいる。
そして、ブルース感覚のリズムが揺れ、ケイト・ブッシュのような声質の万琳
はるえの歌が被ってくるとき、闇に光を差す。しかし、随所にアバンギャルド
の音のしずくがヒタヒタと滴るところが尋常ではない。レーベルの紹介文も、
僕も便宜上、プログレの枠に入っているような表現をしているが、まったく新
しい音楽と思った方が良い。ロックもジャズも、まだまだ新しい音楽を作り出
せるのだ。流行りものしか聴かないリスナーを地獄の底に突き落とすようなこ
の音楽は、へそ曲がりな僕には、加虐的快感を与えてくれる。これを聴いて好
きになってしまったら、もう後戻りできない。フフフッ・・・。

▼ご購入はこちらにて
http://www.airplanelabel.com/index.shtml

     野田誠司 ホームページ http://rockjazz.com/noda/