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 ◆プロ・ライター、また多方面で活躍されている野田誠司氏のコーナー◆
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        金子飛鳥『Betweenness』 3月3日発売
          PLAC-1001 \3,000

出産・子育て中のハワイ生活5年間は、子育て母さんモードで、随分と穏やか
な存在になっていた金子飛鳥。もう、あのかっ飛びヴァイオリンはあまり聴け
ないのかと思っていた。が、本格復帰すると、元ブランキー・ジェット・シテ
ィのドラマー:中村達也率いるLOSALIOS(ロザリオス)のアルバムやツアーに
ゲスト参加するなど、かっ飛びヴァイオリンも健在。

80年代後半、飛鳥ストリングスを率いて、諸々のメジャー・アルバム、アー
ティストのバックを務め、ソロとしても様々なアーティストに参加するうち、
ポピュラー・ミュージック界において頭角を現わす。幾度か仙波清彦氏関連の
ライヴでその演奏を生で観て、その演奏の姿がクールなのに、出てくる音はと
ても熱かったという印象がある。たまたま招待で出かけたライヴにもゲスト出
演されていたので、楽屋へ挨拶に行き名刺を渡す傍ら、お話をしたことがあっ
た。物腰の優しい、気さくで小柄なねーさんという感じだったが、ステージで
はガラっと変わる。

その金子飛鳥が3人のピアニストとアルバムを制作した。塩谷哲、フェビアン
・レザ・パネ、山下洋輔というメンツだが、全く違った個性と共演する金子飛
鳥の引出しの多さに今更ながら驚かされる。特に山下洋輔とのデュオは、僕の
言うところの「かっ飛びヴァイオリン」が炸裂。心地よい。

このアルバムにはクラシックでもジャズでもポップスでもない「金子飛鳥」の
音楽が詰まっている。ジャンル分けしないと音楽を聴けない人には向いていな
い。ジャンルなどどうでもいい良い音楽なら、という人にはぜひ、聴いて頂き
たいアルバムだ。