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 ◆プロ・ライター、また多方面で活躍されている野田誠司氏のコーナー◆
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             新年コラム

  明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 21世紀になって、早4年目。1990年代前半くらいの音楽も若い人には、懐
かしい音楽になるのかもしれない。今年は申年で、僕は、今年で48歳になる
年男だ。僕の世代が60年代や70年代に拘っているのは、けして懐古主義で
もなければ、80〜90年代のポピュラー・ミュージックに馴染めなかったわ
けでもなく、60〜70年代のポピュラー・ミュージックが現在のポピュラー
・ミュージックのルーツと考えているからだ。たしかに、録音機材も技術も今
と比較すれば、随分とお粗末だったが、そこにある自由な精神は前後の時代に
なかったものだ。精神ばかりでなく、演奏力も譜面を超越したところの味があ
った。それまでに存在しなかったような音楽も多数誕生した。

 40年前の1964年、ビートルズを筆頭に米国のチャートをブリティッシュ・
ロック勢(注:当時はまだこのような呼び方はしていない)が占めることにな
る。それらのグループは、米国産のR&Bやロックンロールに影響を受けた英
国産のグループだったが、米国のポピュラー・ミュージック・シーンを大きく
塗り替えるほどの影響力を持っていた。ここで音楽史を語るつもりはないが、
要は、現在の若い人達がとっているバンド・スタイルのルーツはここにあると
いうことだ。

もう、ポピュラー・ミュージックの形態は出尽くしてしまったと言われる今、
無理して新しいサウンドを求めることよりも、そのルーツをルーツのままに終
わらせず、当時足りなかった部分を補い完成させることを目指してはどうだろ
う?40年前のポピュラー・ミュージックをダサイという前に、その足りない
部分、荒削りな部分を見抜いて、さらに完成させてはどうだろうか?それは、
カバーすることから始めてもいいだろうし、独自の解釈で新たな展開の曲に書
き上げてしまってもかまわないのではないか?実は、クラシックやジャズが生
き延びるだけでなく、時代を超えて表現力を養ってこれたのは、既成の曲をカ
バーしてきたことによるからなのだ。ロックやポップスは、こういう側面が遅
れてしまっていた。が、その歴史も半世紀も経とうとする今、かつての名曲、
名演奏を独自の解釈で再演するバンドやシンガーがメジャーなシーンで、もっ
と現れても良いように思う。クラシック・ロックが真に「クラシック」という
名に相応しくなるためにも必要なこではないだろうか?

     野田誠司 ホームページ http://rockjazz.com/noda/