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 ◆プロ・ライター、また多方面で活躍されている野田誠司氏のコーナー◆
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MYRIAM HERNANDEZ

僕は、ジャケ買いをたまにする。ジャケットのアーティストの写真を見て
「おお!美人!」という具合だ。(笑)で、そのジャケ買いをしたメキシコの
女性シンガーがMYRIAM HERNANDEZだった。もう何年も前の話しだ。

 ジャケ買いというやつは、けっこうハズレルことも多く後が続かない。どう
しようもなく歌が下手くそで2度と聴かないというものも少なくない。それで
も懲りずに、初見のアルバムはジャケ買いをすることがある。バカだなぁと思
う。(苦笑)が、このMYRIAM HERNANDEZ は、当たった。ラテン系でも明るい
曲調の類ではなく、情緒豊でどちらかというと、イタリアのヴォーカルものに
近い印象があった。サード・アルバムは、デヴィッド・フォスターが関わって
いる関係か丁寧なフュージョン寄りアレンジ、バックも有名スタジオ・ミュー
ジシャン(これもジャズ寄りの人達)で固め丁寧な作りであった。数少ない明
るい曲調のものは、ワールド・ワイドを意識しての作りなのだろうが、MYRIAM
HERNANDEZ の声は、少し枯れた声のためか、それさえもどこか郷愁のある曲に
なってしまう。そこが魅力で、弦の入った熱唱型の曲などは、70年代のヨー
ロッパ映画を思わせハマってしまう。ここまで魅了してくれれば顔はもうどう
でも良い。

 詳しい資料がないのだが、メキシコでファーストをリリースしてすぐ、ワー
ルドワイドなレーベルから再発されたのが1991年か1992年。以後8〜
9年の間に、5枚しか出さないスローペース。4枚目までのアルバムを聴くと、
まだ打ち込みデジタル録音のないアナログ時代のような丁寧な作りで、人の温
もりがありとても心地良い。MYRIAM HERNANDEZ自身も自ら作詞、作曲を手掛け
ている。生のストリングスに生ギターの絡む曲も多く、どこか夏の夕べの香り
がする。初めて聴いたはずなのに懐かしさと切なさに浸れるその歌は、時代の
流れには無縁な、スタンダードになりそうな美しい曲の数々がアルバムに散り
ばめられている。

最新盤は、ライヴ盤らしく、ジャケットで見る限り、顔が変わってしまった。
というか化粧と髪の色を変えて、こうも変わるか?という感じ。個人的には、
デヴュー時から90年代中頃の容姿の方が好きだが、音楽的な大きな変化は特
になく、本来の持ち味である叙情性は活かされている。

MYRIAM HERNANDEZ オフィシャル・ホームページ
http://www.myriamhernandez.cl/

     野田誠司 ホームページ http://rockjazz.com/noda/