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 11月に来日するサンタナの70年代名盤
 キャラバンサライ/サンタナ
 Love Devotion Surrender /カルロス・サンタナ&ジョン・マクラフリン
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初期の頃は、嘘かほんとかコードを弾けないとバカにされていたサンタナだ
が、この『キャラバンサライ』では、ラテン・ロックの間口を大きく広げ多岐
に渡るジャンルのファンを掴んだ。しかし、ポップな聴きやすさに欠けており
、どこか玄人受けする作品になってしまったのも事実であるが、反面、今聴い
ても古くささを感じさせない。

 『キャラバンサライ』は、それまでのオリジナル・サンタナから一新して、
サウンドも意図的に変えたということもあるだろうが、その頃のサンタナは、
オリエンタルな宗教に傾倒していて、ジョン・マクラフリンの傾倒するスリ・
チンモイの教えに共にマクラフリンと信仰するなど精神世界を音楽で表現し始
めた時期でもあった。その始めがこの『キャラバンサライ』なのではないかと
思う。のちのフュージョンを先取りしたサウンドは斬新で、サンタナのギター
も全体のバランスの中で宙を舞うような演奏でくどくなく、各楽器が際立って
いるのもこのアルバムの特徴だ。

 さて、『キャラバンサライ』が72年の作品、翌年73年『Love Devotion
Surrender 』をジョン・マクラフリンと共にリリースしたのには驚いた。どう
しても、この二人のギターが結びつくとは思えなかったし、共演を想像するに
も音楽性が違い過ぎた。そして、さらに驚いたのはアルバム5曲中、2曲がジ
ョン・コルトレーンの名曲ということだった。しかも、ジャケットにはスリ・
チンモイと3人で並んだ写真。この二人にいったいなにが起こったのだ? そ
ういう感じでレコード盤に針を落とした記憶が今でも鮮明に残っている。そし
て、耳に飛び込んできたジョン・コルトレーンの音楽は、この二人のギターで
新しく蘇ったものだった。すでにジョン・マクラフリンは、マハビシュヌ・オ
ーケストラでその精神性をギターに託していたわけだが、まるで違和感なくカ
ルロス・サンタナのギターがマクラフリンのギターに絡み、コルトレーンの音
楽を殺すことなく、いや、さらに精神の奥深くへ誘うかのがごとく蘇らせたの
だった。

 実は僕は、カルロス・サンタナのギターはこの『Love Devotion Surrender』
を聴くまでたいした評価をしていなかった。『キャラバンサライ』では、それ
までと違った、引きの良さを感じたが凄いとは思わなかった。しかし、この 
『Love Devotion Surrender 』でジョン・マクラフリンと対当にギターを絡め
る演奏を聴き、認めざるを得なかったのだ。そこには、ラテン・ギターとはか
け離れたサンタナのギターが存在していた。この『Love Devotion Surrender』
でのサンタナとマクラフリンは、普遍性のある精神世界をギターによって、至
福な高揚感を与えつつ描いている。今では、CDショップの棚では、品薄状態
のこの2枚、もし、発見したら買って聴いてみてください。4月の来日が延期
され11月の来日となりましたが、最近はライヴで初期の作品をたくさん演奏
するサンタナでも、この時期のものはなかなか聴けません。

サンタナ・オフィシャル・ホームページ
http://www.santana.com/