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  「イムジン河」
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 日本語歌詞を付けた松本猛が中学生の頃に、朝鮮中級学校の友人に教えても
らった美しい曲が「イムジン河」だった。十代終わり頃にザ・フォーク・クル
セダーズのメンバーと親しくなり、この曲をザ・フォーク・クルセダーズのレ
パートリーに加えてもらう。そしてザ・フォーク・クルセダーズ再結成後のシ
ングル第二弾として十三万枚をプレスされるが作者不詳と思っていたこの曲が
北朝鮮の曲で、作詞:朴世永、作曲:高宗漢と作者がおり、さらに歌詞が原詞
に忠実でないことからクレームがつき、レコード会社が慌てて発売中止。が、
当初はなんの説明もなく、「我慢してくれ」で片付けられたらしい。十三万枚
プレスしたシングル盤を回収するとはただ事ではない。結局、加藤和彦が「イ
ムジン河」のメロディをベースに「悲しくてやりきれない」を作曲、サトウハ
チローの詞がつき、回収された「イムジン河」とほぼ同じデザインのジャケッ
トでリリースされた。同年、11月に大阪労音がザ・フォーシュリークというグ
ループによって、原詞に忠実といわれる歌詞、タイトルも「リムジン江」(リ
ムジンガンと読む)に変えてリリース。僕は、このシングルもザ・フォーク・
クルセダーズの「悲しくてやりきれない」もリアル・タイムで購入し聴いてい
るが、当時小学六年生だった子どもの僕でさえ、なんとも言えない悲しい気持
ちになったことを思い出す。「イムジン河」も「リムジン江」も南への望郷は
共通の詩。

注:フォーク・クルセダーズは、自主制作盤『ハレンチ』をリリースして解散。
が、その中の「帰って来たヨッパライ」の大ヒットにより、メジャー・デヴュ
ーのため再結成し、一年活動の予告解散を果たす。昨年の加藤和彦、北山修、
それにアルフィーの坂崎幸之助を加えてのフォーク・クルセダーズは新結成。
予告通り暮れには解散した。

「200CDフォーク」の中で僕が書いたページのごく一部の加筆掲載です。

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野田誠司 ホームページ http://rockjazz.com/noda/