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             天井桟敷と音楽
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 先日、うちのホールでコンサートのある天井桟敷時代の歌姫、蘭妖子さん、
それに舞台監督をされるJAシーザー氏とお会いした。寺山修司が亡くなって
20年経つが、その記念コンサートの打ち合わせだ。天井桟敷の音楽は、JA
シーザー氏が主に担当した(注:寺山修司作詞、田中未知作曲の歌も少なくな
い)。JAシーザー氏の音楽、特に歌ものでない曲は、ピンク・フロイドのよ
うな楽曲も少なくなかった。天井桟敷の劇はミュージカルではなく、実験的な
演劇だったが音楽も重要な役割を果たしていた。1967年に寺山修司と共に天井
桟敷を旗揚げした東由多加は、すぐに東京キッド・ブラザーズを起こすが、こ
ちらは比較的ミュージカルに近いもので、天井桟敷ほどには実験的ではなかっ
た。寺山修司は、数々の奇行を残し、母親との愛憎が作品に表現されるなど、
ある部分公私混同した作品も多いが、それはまた、大多数の人の深層に潜んで
いる共通な闇だったのかもしれない。そこで歌われた曲の数々は、時代を超え
て人の心の奥に潜む琴線に響く。屈折した情感と表現は、本当は誰にもあるも
のだ。寺山修司の作品に、答えを見出そうとすることは愚かなことだ。人の心
の闇に答えも何もない。闇は明るみにさらされて「問題意識」となる。昨今の
流行歌には、決めつけた答えしか歌われていない。人の心の揺れ動きが露わに
されていない。上辺だけの頑張りや励まし、ラヴ・ソングがどんなに薄っぺら
なものかを知らずに、10代、20代を過ごし、結婚し家庭を持っていくなら
どこにも、幸福を見い出せないだろう。60年代後半から70年代にかけての
音楽、演劇、映画は、人の心の奥に潜む闇に直面させる作品が多かった。この
時代を振り返るということは、懐かしい以上に、本当の表現というものを学ぶ
ことでもある。今年は、寺山修司没後20周年で、映画、公演、コンサートが
各地で実施されている。この機会に天井桟敷の作品に触れて欲しいと思う。

5月28日(土)
お茶の水クリスチャンセンター(OCCビル)8Fチャペル
寺山修司没後20周年記念 蘭 妖子 コンサート
歌●欄妖子
作詞●寺山修司
作曲・音楽監督●JAシーザー
演奏●ピアノ 上田 亨
   ギター 鴻池 薫
   チェロ 末末直也
   尺八  三塚幸彦
開場 18:00 開演 18:30
チケット 前売/当日共 3,500円 全席自由
チケットのご購入:1枚につき3500円を郵便振替にて振込
     口座番号 00130−9−567089
     口座名  蘭妖子
お問い合わせ:オフィス・ラン 03−3479−1353
           楽遊舎 045−432−1839

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