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    音楽を文章で紹介、評論すること
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 この世で不思議な本が存在する。それは、音楽雑誌や音楽関連の単行本だ。
楽譜集などは別にして、文章で音楽を紹介するということほど、著者にとって
ジレンマはない。どうやって聴いた音楽を自分と同様の感覚で読者に理解させ
るか。そこでジャンルという区別しやすいカテゴリーが生まれ、説明しやすい
手段が生まれる。本来、ジャンル、カテゴリーとは、読者に「音」を伝えるた
めの手段なのであって、論争する類のものではない。

 現在、50代の音楽ライターさん達は、編集者出身の方も多く、文章に精通
しており、文章自体が良い。僕のような40代の音楽ライターは、コレクター
が多く資料文献を書くのは得意だが、今ひとつ文章の「味」に欠ける。30代
の音楽ライターさん達は、大変研究熱心なのだが、独りよがりの文章になりや
すく、また逆に他の文献の受け売りっぽいものも目立つ。残念ながら、雑誌社、
出版社も著者の知名度、人気度で起用することも多く、文章の質が下がってき
ているのが現状だ。

 本来、音を文章で紹介したり、批評したりするというジレンマを何の問題意
識も感じないまま、書くなら、なにやら難しい用語やカタカナ英語を並べたも
っともらしい「感想文」でしかなくなる。特に昨今の音楽雑誌やムック本にそ
の傾向が強い。あなたは最近の音楽関連の出版物に音楽の紹介だけでなく、そ
の文章そのものに感銘を受けたことがあるだろうか? 文章に難しいことばを
並べる必要はない。むしろ、中学生が読めるくらいの文章でかまわないし、ボ
キャブラリーを競う必要もない。優しいことばで、分かりやすく、感銘を受け
るように音楽を紹介すれば良いのだ。その基礎ができていないと、ただの「感
想文」になってしまう。僕は、先月、音楽之友社刊行予定の「ポップ・ミュー
ジック用語辞典」と立風書房(学習研究社系列)から刊行予定の「Jフォーク
200CD」という単行本(どちらも共著)を書き上げた。どちらの編集者か
らも、構成と文章面でのお褒めを頂いた。自慢話と受け取って頂きたくないの
でイイワケするが、なんの努力もなしに、もの書きになったわけではない。中
学生の頃から文章を書くことが好きで、読書も好きだった。もちろん、音楽に
関係ない小説やエッセイや詩集、研究書に至るまで乱読した。聞き上手が話し
上手のなら、読み上手は書き上手になる最短手段のはずだ。良い文章を読めば、
自ずと自分の書く文章も変わっていく。

 音楽を文章にするのだから文章のことなど二の次と思ってはいけない。僕の
やっている「音楽ライター講座」では、文章の書き方まで指導しているが、以
下のテキストを使っている。
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』山田ズーニー著 PHP新書  \660
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569617360/rockjazzcom-22

『100万人の文章表現術―基本の基本から、
       キラリと光る一文の作り方まで』
             PHPエディターズグループ (著) 価格:¥800
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569615430/rockjazzcom-22

この2冊を読めば、分かりやすい文章を書くことがいかに大切か分かる。山田
ズーニーさんは、糸井重里のサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』にて「大人のため
の小論文教室」を寄稿されているが、文章そのものが非常に分かりやすい。難
しいことは書いていない。

「大人のための小論文教室」
http://www.1101.com/essay/

分かりやすい文章を書くということは、ある意味つまらないプライドを捨てる
ことなのかもしれない。あなたの音楽紹介(または批評)の文章を読んで、多
感な中学生のひとりが感銘を受け、あなたのような「分かりやすい文章」を書
く音楽ライターになりたい!、と思ってくれたのなら、もの書き冥利に尽きる
のではないだろうか。

音楽ライターとは、音楽鑑賞家ではなく、文章作家である。

音楽ライター講座の生徒さんを募集しています。
詳細は以下にて!
http://rockjazz.com/musicw.htm

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