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   THE ESSENTIAL FISHBONE /エッセンシャル・フィシュボーン
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『THE ESSENTIAL FISHBONE』2003/5/21 リリース MHCP-29 \1,700(税抜)
        ソニー・ミュージック・ジャパン・インターナショナル

 85年に平均年齢18歳という若さながら、すぐれた音楽性を持ってデビュ
ーしたフィッシュボーン。LA出身のアフリカン・アメリカン6人編成だが、
その音楽は、様々なジャンルをミックスした斬新なものだった。黒人の血を引
く音楽に縛られることなく、洗練され、かつパワーのあるサウンドとヴォーカ
ルを兼ね備えたいた。意図的に様々なサウンド、ジャンルを吸収し新しいもの
を目指したこと、それに伴った演奏、ヴォーカル技術も持ち合わせていたこと
は高く評価された。しかし、本国アメリカでのセールスが、その高い評価に結
びつかなかったのは残念なことである。その時期のソニー時代の音源が本アル
バム(コンピレーション)だ。

 すぐれた作品であっても売れないケースには、いくつかパターンがある。イ
ンディーズ・リリース、またはメジャーであっても、レコード会社がプロモー
ションに力を入れなかった場合。リスナーを選んでしまう作品を作ってしまっ
た場合などだ。フィッシュボーンが本国でセールスを上げることが出来なかっ
たのは、後者ではないかと思う。それは、決まったジャンルに固守せず、様々
なエッセンスを散りばめ、自らの音楽性を築き上げていったため、ある意味、
時代を先取りしてしまった音楽性が同時代のリスナーの耳に馴染まなかったの
かもしれない。スカ、レゲエ、ファンク、パンク、ソウル、それに白人よりの
ロック指向も含む(いまでこそミクスチャーという曖昧な表現で何となく理解
してしまいそうだが)その音楽性は、斬新過ぎたのかもしれない。

それは、今、こうして聴き直しても斬新に感じるくらいなのだから仕方のない
ことなのかもしれない。だから、音楽は、遡っての再評価が必要なのである。
それにはレコード会社の決心と努力も必要だ。過去にあまり良いセールスでな
かったら、すぐれた作品であってもダメだ売れない、と諦めてはいけない。音
源を遡って発掘する作業は、また僕ら音楽ライターの役割でもあるのだが、若
いリスナーさんほど昔の音源に耳を傾ける努力をして欲しい。そして、すぐれ
た作品がまた、後の世代に伝わることを切に願いたい。

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